[QuarkXPress奮戦記 vol.5]

段落書式とスタイルシート(3)

■小見出しをセンターに

 たとえば基本的に14Qでテキストを組んでいる中に、20Qの小見出しを入れるとする。この場合、文字はセンターから両側に大きくなるのではなくて、ベースラインから、横書きなら上に、縦書きなら右に大きくなる。すると、小見出しのセンターがずれることになる。小見出しの両側が広くて目立たない場合はまだよいが、狭くなるほど目立つようになる。
 こんな場合は20Qと14Qの差の半分、つまり3Qだけ「ベースラインシフト」でマイナスしてやるとセンターに揃う。
 これも、いちいち設定するのは面倒なのでスタイルシートに登録しておくと楽チンだ。

サンプル

■前後の段落との間隔指定はかなり便利

サンプル

 「段落書式」には「前段落との距離」「後段落との距離」という項目がある。これはなかなか便利でよくお世話になる。
 この設定によって、右図のように段落間の距離が行送り値よりも設定値だけ広がる。箇条書きなどの場合に有効だ。
 これを行送り値の調整でやろうとするとやっかいだ。空白行を追加して調整すればよいが、無造作にやると段落全体の行送りが広がったり狭くなったりすることになる。段落間の距離設定の方が楽チンだ。
 これもスタイルシート登録がベターだろう。もっとも、段組み編集をしている場合はこれによって行揃えが狂うので要注意。行揃えを気にしなくてもよい部分で活用するのがいいと思う。

■スタイル登録はスタイルを作ってから

 スタイルシートを登録する場合、「アイテム」の「スタイルシート」でいちいち指定してやるのもよいが、ちょっと面倒だ。
 テキストに「段落書式」などを設定してからその部分を選択したあと、「スタイルシート」の「新規」を押すと選択した部分のスタイルがそのまま新規スタイルシートとして登録される。とりわけ「タブ」設定をスタイルシートに登録する場合などはこの方法が楽チンだと思う。
 この場合、選択していた部分に改めて登録したスタイルを適用しておくことを忘れずに。

■スタイルシートの効果は校正で発揮される

 たとえば、見出しのフォントやサイズをすべて変更するような校正が入った場合、これをいちいちやっていくのはいかにも面倒だ。しかし、うまくスタイルシートを使った場合、スタイルシートの設定を変えるだけでそれが適用されている部分は一括して変更することができる。
 だから、最初に作るときから、同じ体裁のところは同じスタイルを適用するということを心がけたい。逆に、同じスタイルを使っても一括変更からは外したいという場合は、スタイル適用ののち「スタイル解除」にしておくとよい。
 しかし、だからといってやたらとたくさんスタイルシートをつくるのも考えものだ。ユーザ辞書にたくさん登録して、登録した「読み」を忘れてしまうようなもので、かえって混乱することになりかねない。
 ようするに作業をしやすく、訂正をしやすいように使うのがポイント。私は、書籍など比較的同じパターンが続く場合はスタイルシートを多用するが、見出しのスタイルもさまざまな多段組タイプの場合は、記事本文と小見出しなど最小限の登録にとどめている。


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