[QuarkXPress奮戦記-番外編]

横組み文字のタテ揃え

 inet上の掲示板で、横組みをした文字のタテのラインを揃えたいが、いい方法がないかという話題があった。興味もあり、実際にどこまでできるかと思ってサンプルを作ってみた。

サンプル

●サンプルの設定
日本語:ぶらさがりON
テキストボックス:14Q17字=3.5mm×17.5=61.25mm(+0.001mm)、テキストとの間隔0
文字:細明朝体14Q、トラッキング0
段落:第1行インデント3.5mm(14Q)、ジャスティファイ
H&J:標準(デフォルト。日本語関係のジャスティファイの設定が0になっているので詰まらない)

●解説
 かなり完全な文字揃えを求められているようなので、まず環境設定で「日本語」の「ぶらさがり」をONにした。
 テキストボックスは、1行の文字数がピタリと収まる大きさ、サンプルでは14Q17行なので3.5mm×17.5で設定する。0.5の端数は、ぶらさがりをONにしている関係だ。実際にはこれで収まらなかったのでさらに0.001mm大きくした。これでピタリだ。
 もちろん「テキストとの間隔」を「0」にしておく必要がある。
 文字はベタ組みなので、基本のトラッキングは「0」にし、ジャスティファイにする。あとはデフォルトのままでもOKだ。特別なエクステンションも使わない。

 問題は英数、約物、禁則処理がらみだろう。
 まず5行目の連続約物は、トラッキング「-100」で詰めた。トラッキングは「-200」で1文字分だから、「-100」はちょうど半角分詰めることになる(QuarkXPressは、連続約物を自動的に詰めるように設定されており、場合によっては詰まり過ぎることもあるので要注意)。
 ここはカギ括弧が行末にきた。そのままではジャスティファイで端まで引っ張られるので、「コマンド+リターン(任意改行)」をカギ括弧の後ろに入れた。「ぶらさがり」ONだから、禁則がらみはこのケースだけが問題になるだろう(と思ったら、開始カギ括弧などの行末禁則があった。この場合はどこかに読点「、」を挿入して合わせるしかないかな。ついでに、約物以外の促音、音引きなどの禁則は、この際無視するしかないか……)。
 1行目の3ケタの半角数字は、前後に4分の1のスペースが空くように2箇所にトラッキング「50」を設定した。

 最も面倒なのは英文字だろう。6行目の英文字はトラッキングを1単位で増やし、ピタリと収まったところで確定した。トラッキングが「5」だと1字あふれてしまう。「4」でピタリだ。数字も、カンマなどが入ればこうした調整が必要になるが、テキストボックスをピタリと収まるサイズにしておくと、こうした微調整も比較的簡単にできる。
 もっとも、1行目の「100」との関係では、前後のスペースに違いがあるので、もう1文字分広げる方が統一はとれる。また一般に、英文字の前後は4分の1文字程度空けた方がよいようだ。

 残る問題はフォントによる違いだろう。サンプルは細明朝だから比較的楽だが、新ゴ系、じゅん系など英数文字の横幅が大きいフォントは少しやっかいだ。
 なお、赤で囲ったのがトラッキングの適用範囲。トラッキングは後ろに効くことに留意したい。また、カーニングは文字間に設定するので手間が増える上、まとめて解除することもできない(エクステンションがあれば別だが)ので、トラッキングを使うのがおすすめだと思う。

(記/1998.1)

][