[QuarkXPress奮戦記 vol.13]

行末のこだわり…「ぶらさがり」と約物(2)

■ぶらさがりを使う時

サンプル

 多段組み編集ではほとんど「ぶらさがり」をオフにしているが、書籍の編集ではオンにすることが多い。やはり文字組みはベタ組みを基本にしているが、この場合、禁則処理を「ぶらさがり」にする方がテキストを揃えるのに効果的だからだ。実際、そうやって組んだ書籍の方が、見た目にも美しいと感じるのは私だけだろうか。
「ぶらさがり」をオンにすると、テキストボックスには文字の大きさの半分のスペースが行末に確保される。そこに句読点など約物を収めるわけだ。

 サンプルの一番上は基本的なぶらさがりオンの状態で、文字もきちんと揃っている。
 サンプルの二番目は、ちょうど最後の文字位置に句読点がきた場合だ。ジャスティファイで引っ張られているため、1文字分間延びしている。せっかく「ぶらさがり」で文字揃えを追求しているのに、これでは効果半減。
 そこで、行末にコマンド+リターンを入れるとサンプルの三番目のようになる。「任意改行」と呼ばれる機能で、QuarkXPressのショートカット一覧にも載っている。正確ではないが、そこだけ「右揃え(上揃え)」になると思えばわかりやすい。
 それなら最初から「右揃え(上揃え)」でいいではないかとも思うが、これはダメ。"」。"など約物が連続すると、QuarkXPressは自動的にその文字間を調整して詰めるように設定されているので、ジャスティファイでないと行末はガタガタになる。
 1行の中に約物が多いと、サンプルの四番目のように「ぶらさがり」なのにきれいに行末が揃うことがある。この場合もコマンド+リターンで、わざとはみ出すことができる(サンプル一番下)。
 ただサンプルのように、括弧がはみ出すとけっこう存在感が大きいので、私はあえてそのままにしておくことが多い。
 コマンド+リターンは手作業になるし、ちょっとやっかいな面(「vol.6 よく使うコマンド&ショートカット」の任意改行参照)もあるが、特に書籍の場合、私はこだわってよく使っている。もっとも、それに気づく人はきわめて少ない(涙)。


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