[QuarkXPress奮戦記 vol.14]

どう変わる? QX4.0でのテキスト編集(2)

■強化された禁則処理レベル

サンプル

 禁則処理のレベルが強化されたのも嬉しい改善だ。「っ」などの促音や音引き「−」などが加わったほか、補助メニューでカスタム化も可能になった。これまで、促音などの禁則処理は手作業でやっていたので、これも大いに歓迎したい。
 右のサンプルは、H&Jの設定パレットの一部。禁則処理レベルの設定はH&Jで行う。H&Jは段落書式で選択できるので、段落単位で禁則処理のレベルを変更できるということになる。

サンプル

 デフォルトで禁則処理は「弱い」と「強い」が用意されている。「弱い」は従来と同じレベルで、左サンプルの上がその例だ。「強い」が新しく追加されたレベルで、促音などが加わっていて、左のサンプルの下の例だ。なお、H&Jでは禁則処理「なし」も選択できるようになっている。
 サンプルでわかるが、禁則処理は追い出しが基本だ。しかし、実際の編集では追い込みにしたいところだ。一行の文字数が多い場合はそれほど目立たないが、段組編集など一行文字数が少なくなると、文字間の間延びが目立ってしまう。この点については従来と変わらない。

■どうせならH&Jの構造を改善してほしい

 ところで、Net上でやり方を教えてもらって知ったことだが、3.3JでもH&Jの設定によって句読点や約物を追い込み処理することは可能だった。H&Jのジャスティファイ設定で、「漢字」と「かな」の最小値をそれぞれ「-10」程度にすればOKなのだ。
 こうなると、強化された禁則レベルでも同じように追い込みにしたいと思うのが人情というものだ。
 ところが促音などは全角文字だから、句読点などと同じ「-10」程度では追い込みにならない。そこでこれを「-25」程度にする必要がある。

 ここで問題は、和文約物の設定値だ。3.3Jでは、追い込みにするのに、H&Jの「和文約物」のジャスティファイ設定値はさわっていない。一度設定値を入れたことがあったが、予測しない動きをしたのでデフォルトが適当だろうと思われたからだ。
 ところが「漢字」と「かな」の最小値を「-25」にして追い込んだ場合、文字に比べて句読点など「和文約物」の文字間が相対的に広くなる。では「和文約物」の最小値も「-25」にすればよいではないかということになるが、ここにはH&Jの構造にからむ問題が潜んでいるのだ。
 つまり、H&Jはトラッキングと同じように後ろに効く。すると、開始括弧"("なども同じように後ろが詰まる。「-25」程度になるとこれが目立ちはじめ、具合が悪いのだ。ちなみに、漢字とかなの設定値が違えば、漢字の後のかな、かなの後の漢字でその文字間が変わるということも起こる。
 このあたり、どうせなら漢字とかなの間の間隔なども設定できるようH&Jの構造そのものを改善してほしいところだ。
 もっともこのあたりは、自動的に追い込みにしようとしなければ何も問題はない。


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