[QuarkXPress奮戦記 vol.26]

「プリンタフォントの有無」を考える(2)

■プリンタにないフォントの処理を決める

 バージョン3.3までは、QuarkXPressフォルダのXTensionフォルダに入っている「Printer Fonts」がこの機能を提供している。そこでまず、これを外して起動し、プリントしてみた。

サンプル

 すると、プリンタフォントのあるものは正常にプリントされ、プリンタフォントがないものは、ATMフォントがあるものも含めて文字化けした。
 ということは、すべてのフォントでプリンタフォントがプリンタにダウンロードされていれば、この機能は必要ないことになる。逆に言えば、プリンタにダウンロードされていないフォントのために、この機能はあるわけだ。
 実はこれ、XTensionであった3.3まではマニュアルなどでもわかりずらかったが、プログラムに組み込まれた4.0では、ずいぶんわかりやすくなっている。
 デモ版に同梱された「QuarkXPress4.0日本語版 新機能について」を読むと、次のように解説されている。

 「プリンタフォント機能では、ポストスクリプト出力機器上での日本語フォントの印刷を制御できます。このタブで[検索開始]をクリックすると対象となるプリンタを検索し、日本語フォントがインストールされているかどうかを調べます。プリンタフォント機能では、もしある日本語フォントがプリンタにインストールされていない場合、QuarkXPressでそのフォントのビットマップを作成するか否かを決定し、600dpiまでの解像度でその情報を送信します」

 ようするに、プリンタフォントがあればそのままプリンタにフォントデータを送り、なければそのフォントをQuarkXPressが直接ラスタライズ(注)して送る、ということだ。その時、ATMフォントがあれば高いレベルでラスタライズするので美しく(パラついたり詰まったりするなどの問題はあるが)、ビットマップフォントのみの場合は低いレベルなのでジャギーの激しい文字となる。
 結局「プリンタフォントの有無」は、QuarkXPressがラスタライズするフォントを選択するための機能だった。

注)ラスタライズ:パソコンで文字をプリンタに出力するときは、最終的には小さな点の集まりとして表現する。この文字や画像のデータをラスタデータ(ビットマップ画像)に展開することをラスタライズと呼ぶ。(MacPower編集部編『まーぱのコトテン』月刊MacPower1998年3月号特別付録より要約)


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