2001年10月15日(月) 天気 : 晴れ

サルとの遭遇

取材で山歩きをしてきた。
いわゆる里山だがその昔、明智光秀が本能寺の変に向かう折りに通ったのではないかと言われている間道だ。そこがハイキングコースになっている。

しかし僕に山歩きの趣味はないので、それ用の装備は何もない。しかもカメラや、薄暗くても自然光で撮影するために三脚も持って行く。
出がけ、いきなりリュックが見つからない。仕方がないからショルダーバッグ。結局いつもと変わらぬ出で立ちだが、せめて靴はとテニス用のエアシューズにしてみた。

さてバスを降りて歩き始めると、足元で何やらバコバコ音がする。ふと見ると、あらまー、靴底がかかとからつま先近くまで、きれいにはがれている。つまりスリッパ状態。
どこかでスニーカーでも買おうかとしばらく歩いていると、バコバコ音が共鳴する。見ると、もう片方まで同じようにスリッパ状態。そりゃないよ。

しかも、歩けども靴屋さんもスポーツ用品店もない。ふとショーウインドウに写ったわが姿。ショルダーバッグにカメラバッグと三脚のケースを担いだおっさんが、底のはがれた靴をバコバコさせて街を歩く様といったら……。
考えてみたら、もう10年ほど前に買った靴だし、ほとんど使ってなかったから、さもありなんか。
で、仕方がないからタクシーで一旦家に帰る。結局いつもの靴に履き替え、まったくいつもの姿で出直した。

山歩きは約3時間半。細い山道はわりと急だった。何というか、取材でなけりゃ歩かないよ、と言いたいところ。
2時間半も歩いた頃だったか、登り道をヒイヒイ言って登ったところでヒョイと顔を上げたら、目の前にサルがいた。うわっ、とびっくりしたが、むこうは道端にゆったりと鎮座している。で、僕が通り過ぎると、サルはゆっくり反対側に歩いていった。
襲ってこなかったところをみると、近くのモンキーパークのサルなのだろうか。それにしても冷や汗が出た。

出発が遅くなったので午後の山歩きだった。天気情報ではしばらくぶりに夏日になると言っていたが、ほとんどが木陰だったのは幸いだった。