2002年7月8日(月) 天気 : 晴れ

左官仕事初体験

しばらく前に風呂の浴槽脇のタイルが欠けて穴が空いた。放っていたが、やっぱりまずいだろうと先日、シリコン樹脂の補修剤を買ってきて補修をした。

その時ふと洗い場のタイルを見ると、目地のあちこちに小さな穴が空いている。これまたまずいだろうと、ついでにその補修剤で修復を試みた。
が、そもそもシリコン樹脂などで洗い場のタイルの補修などするものではない。一所懸命やった穴埋めも、水を流せば浮いてきて、なんだか白い虫がモゾモゾしているような感じさえする。
失敗だったかと思っていたら案の定、娘に「気持ち悪い」とボロクソに言われた。しかも、ブラシでこすればアッという間に全部はがれて元の黙阿弥になってしまった。

しかし穴は気になる。そこで近所のホビーショップに出かけ「抗菌タイル目地剤」なるものを見つけた。ようするにセメントだ。そうそう、これこれ。これで全面的に目地を塗り替えるわけだ。
が、もとより左官仕事はしたことがない。できるかどうかさえはなはだ不安だ。失敗した日にゃ今度は何を言われるか……。

遠い昔の子どもの頃、田舎の風呂場の工事で見ていた左官屋さんのタイル貼りを思い出す。敷いたタイルの上から白いセメントをとにかくドバーっと塗り込んで、タイル部分をふき取って目地を出してたっけ。作業の説明書きにもそんな感じで書いてある。
しかも施工後3時間で使用可能だという。昼までにやれば、夜には十分間に合う。とにかく、このままでは引き下がれないから、いっちょうやってやろうじゃねえか。

というわけで、ヘラやゴム手袋など作業道具も買い込んで帰ってきた。それでも1,200円ほどだったから、うまくできれば御の字だ。
で、さっそく作業を始めたが、とにかく初めてのものは加減がわからないから困ってしまう。やや固いかと思ったセメントも、塗っていくとなんだかゆるゆる。大丈夫かいな、と不安がつのる。

とにかく洗い場一面を塗り上げた。30分ほどで半乾きになるから、その頃にふき取れとあるが、30分たってもちっとも固まってない感じ。やっぱりゆるかったのか……。
が、1時間ほどすると見るからに固まってきて、今がふき頃という感じ。そしてタイル表面をふき取っていくと、うーん、目地がきれいに現れてきた。ようやく安堵。

次なる不安は、ほんまに3時間で使えるようになるのか、ということ。しかしそれも、3時間でほぼ固まった様子。念のため5時間放置して、表面を洗い流してみたが、どうやら大丈夫なようだ。よしよし。
しかも、これまでずいぶん目地が汚れていたから、我ながら見違える出来映えなのだ。

そこに娘が帰ってきた。
「すごーい。やるじゃん」
へっ、どんなもんでぇ、とは言わなかった。どっちかと言うとホッとした気分。
さっそく今夜から使っているが、セメントがゆるんで流れてしまわないかと、まだ少々不安ではある。