2003年5月10日(土) 天気 : 晴れ ときどき くもり

神戸の地図

頼まれて、神戸の地図を作っている。
むろん略図だ。だから実は、簡単だろうと安請け合いしてきた。
しかし、土地勘がないところの地図は難しい。
京都なら、あるところの略図を描くのに、そこを中心にどの通りを描けばよいか、どの通りは省いてよいかということが、だいたいはすぐにわかる。どの通りが太くてどの通りが細いかもだいたいわかる。
神戸ではそれらがわからないのが辛い。仕方がないから、かなりあてずっぽうに描いた。違和感があれば指摘してもらうしかない。

「地下鉄海岸線てのができてるんですよ」
初校を送ったらそんな返事が返ってきた。
「へっ? いつの間にそんなんができたんスか?」
「わりと最近ですけど、地図に載ってませんでした?」
「いや気がつきませんでした」
「いつの地図見たはります?」

ドキッ! である。
実は参考にしたのは、預かってきた住宅地図のコピー、インターネットのMapFanで検索した地図、そして道路地図「マップル」。
ところがマップルは古くて、発行年を見たら1993年のものだった。10年前だ。震災を経ている神戸だから、さすがにこれではまずい。そこでコンビニで新しい地図を買ってきて、それを参考にしていたのだった。
でも、それにも地下鉄海岸線は載っていなかった。

「ええっと、あっ、1998年秋調査ですわ、これ。99年1月発行や。そりゃ載ってへんですわねぇ」
「えらい古い地図、買わはったんですなぁ」
「はあ……」

あとでよく見たら、MapFanの地図には地下鉄海岸線らしきものがちゃんと載っていたが、そもそも知らないので気づくわけがない。改めてアクセスして拡大表示で見ると、しっかり描いてあった。

畳となんとかは新しいのがいいというが、この格言(?)には地図も加えた方がいいようだ。