[ひとりごと(1999.9.19)]

Webページの3周年

 インターネットにホームページなるものを開設して、9月17日で3周年になった。もっとも自分でも忘れていて、ボードに書き込んでいただいて思い出した。いずれにせよ、3年間ももっているのはひとえにアクセスしていただくみなさんのおかげ。ありがとうございます。

 思い出すと、初めてインターネットに接続したのは1995年の年末のことだった。買ったモデムに入っていたチラシをみて、どんなものかと思ってオンラインでinfowebに加入した。
 それから手探りで僕のインターネット生活が始まった。しかし誰かからメールが来るわけではない。当たり前だ。誰も僕のアドレスを知らない。年賀状に書いてあったアドレスをたよりに、初めて送ったメールは文字化けしていた。僕がメールソフトの設定を間違えていたのが原因だった。しばらく英文でやりとりした。たった2、3行のメールにたっぷり1時間はかかって汗だくだった。インターネットって英語なんだ、と思ったものだ。
 ネットサーフィンをするといっても、とりたてて見たいというページもないし、何がどこにあるともわからない。そうなるとアダルトサイトでも覗こうかとアクセスしたが、いかんせん14400bpsのモデムでは遅い。結局、広告ばかりのページをぐるぐる回っていただけだった。
 そんなわけで、僕にとってインターネットはつまらないものだった。もちろんホームページなど、HTMLだか何だか知らないが、およそ僕に作れるものではないと思っていた。仮に作れたとしても、写真も撮れないし絵も描けない僕に、何の題材があるだろうと思っていた。次第にインターネットへの足も遠のきつつあった。

 そんなことで半年ばかりたった頃、知り合いのライターがホームページを作ったと知らせてきた。見てみると、なんだか楽しそうに作っている。秋になってたまたまそのライター宅を訪ねた折り、素材集やホームページ作成のための雑誌などを見せられた。
「簡単やで。これ見てその通りに作ればええんや。ソフトもいらへん。SimpleTextがあったらええんや」
 彼が見せてくれた雑誌には、サンプルのページとそのソースが載っていた。すぐにその気になるタチの僕は、ちょうど仕事がヒマだったこともあり、それらを借りて帰って挑戦してみることにした。
 とりあえず、サンプルの通りにSimpleTextにHTMLを書く。その彼がやっていたのと同じように、ロゴを作って入れてみたり、適当に自分なりにテキストを入れてとにかくトップページを作った。ブラウザで見ると、おお、まさにホームページやんか。僕はうれしくなって、とりあえず当時何度か作っていたお客さんむけのペーパーニュースを題材にして、サイトを作った。
 サーバにホームページ開設の手続きをしたら、数日で書類が送られてきたので、さっそくアップした。それが9月17日だったと思う。実は正確には覚えていないのだが、後にトップページの「Since」をその日ということにしたという次第だ。
 自分のホームページができると、僕のインターネット観はがらりと変わった。まず、ホームページを見る視点が大きく変わった。自分ではできなかったレイアウトなどがされていると、これはどうしているのだろうとソースを見る。カウンタをつけたり、メールフォームを作ったり、わけのわからないCGIスクリプトとにらめっこして掲示板を作ったり……。もう僕はすっかりインターネットにハマってしまったのだ。

 1年がたった。アクセス数は約3600件だった。だいたい1日に10件程度ということになる。もちろん自分も含まれている。そこで2年目は、なんとかもっとたくさんのアクセスがあるページにしたいと思った。
 人気の高いページを見ながら、これらはどうしてアクセスが多いのだろうと考えた。いろいろ見ているうちに、次の三つではないかと思えてきた。つまり、
 (1)情報が新しい(ひんぱんに更新されている)
 (2)情報が面白い(読んでいて楽しい)
 (3)情報が役に立つ(仕事などでも使える)
 ということではないかと。これは今でもそう思っている。
 そこで、それまでも「QuarkXPress奮戦記」は書いていたが、この際DTPについて大きく扱うようにした。できるだけ短いサイクルでの更新にも挑戦した。
 また、DTP関係のページにリンクして、片っ端から「リンクしました。よかったら私のページも見てください」とメールを送った。幸いにも快くリンクを承諾していただき、相互リンクも増えてきた。その頃にメールでやりとりした方には、ありがたいことに、現在でもおつきあいをしていただいている方が多い。
 これらのおかげで、2年目のアクセスは1万件くらいに増えた。
 98年3月、サーバの容量がいっぱいに近づいてきたこともあり、他にも機会があってもう一つのプロバイダと契約し、DTP関係の記事を分離して「別館」を作った。元からの「本館」はいわばライターのページとして、役割分担したわけだ。それに伴って掲示板も二つにした。
 幸いなことに別館の「DTPフォーラム」はにぎわって、たくさんの人に出入りしていただいている。私もここでずいぶん勉強させていただいたし、さまざまなTipsも教えていただいた。
 これまた幸いなことに、何度か雑誌などでも紹介していただき、別館のアクセスは開設1年半で、本館の3年間を追い抜こうとしている。もっとも、世の人気サイトに比べれば足下にも及ばないのだが……。

 インターネットの世界というのはつくづく面白いと思うことがある。たとえばDTPのTipsなど、普通なら自分だけの財産にしておきたいものでもあるだろう。自分だけができるということで仕事に結びつくかもしれない。しかし、ネット上ではそれが惜しみなく公開され、交流されている。そしてそういうページに人気が集まる。
 そういえばある時、「情報を得る究極の方法は、情報を与えることだ」と聞いたことがある。なるほど、私のページを読んで「参考になったからお礼に」と、Tipsを教えていただいたこともあった。意識しているかどうかは知らないが、実際上こんな感じになっているサイトがたくさんある。
 今、3年前に比べると僕のインターネット環境はずいぶん変わった。 CATVケーブルでのアクセスはISDNさえ遅く感じるくらいで、ますますネットサーフィンにハマッている。仕事でWebページの制作も入るようになった。それでもページ制作の道具は、さすがにSimpleTextではないものの、相変わらずテキストエディタのままだ。
 また今や頻繁な更新は失速してしまったが、もうこれはできるようにするしかないと割り切って、ぼちぼちやろうと思っている。そして今後、できるだけ何かに役立つ情報を発信していきたいと思っているところだ。

(記/1999.9.19)


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