[えでぃっとはうすのときど記]

箸置きダイエット

 「メタボ予備軍だから指導を受けるように」と、いつも健康診断を受ける診療所から呼び出されたのは今年の3月のことだった。指示されたのは「半年で3キロ痩せなさい」というミッションだった。

 とりあえず、食事を減らしたりわずかばかりの体操などをしてみたが、当然ながら効果はなかった。そんなとき、たまたま見たテレビ番組「ためしてガッテン」で耳よりな情報を得た。
 なんでも、ある製薬会社で行われているダイエット法で、96%の人が半年で5〜6キロ痩せたのだという。しかもその内容は「箸の作法」を守ることだという。よーするに、一口ごとに箸を置くことらしい。結局、よく噛んで食べることがポイントで、その結果、身体のなかの「やせる細胞」が活性化されるのだという。

 これは簡単だし、ダメ元でやってみることにした。「箸の作法」はよくわからないが、とにかく一口ごとに箸を置けばよい、と理解して実践してみた。すると、すぐに理解できたことがあった。箸を置くと、口の中は噛むしか仕事がないのだ。
 考えてみればこれまで、箸を持っていると次々に食べ物を口に運んでしまうので、なかなか「よく噛んで」が実践できなかった。それでなくても、若い頃から「早食い」だった。思い起こせば、それらが積み重なっての現在の体型なのだと思う。

 以来約4か月、できるだけ一口ずつ箸を置く、を続けてきた。我が家では、勝手に「箸置きダイエット」と呼ぶようになった。次第に、よく噛んで食べることにも慣れてきた。
 やっていたのはこれだけで、特に激しい運動をするわけでもなく、お酒も飲めば多少の間食もする。いわば、普通にしていた。
 1か月目くらいから体重の減少が現れた。月に1キロくらいだからゆっくりだが、その分身体への負担も少なく、楽に痩せていく感じだ。
 3か月ほど過ぎると、たぶん15年ぶりくらいではないかと思える体重にまで減ってきた。自分でも驚きだ。

 というわけで今日、診療所にミッションの評価に行ってきた。体重は3.5キロ減、腹囲は4センチ余り減だった。まずはミッション達成。うれしい。

(記:2012/10/02)



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