[ひとりごと(1998.1.16)]

本人は好意のつもりでも……

 ご本人は間違いなく好意のつもりなので文句を言うのは失礼なのだが、つい言いたくなるのがフロッピー入稿された原稿だ。

 先日は、2校目の原稿がフロッピーで入ってきた。たくさんの訂正があり、ややこしいから直したデータにしたのでこれを使ってほしいとの配慮のようだ。ちょっと不安があったが、ありがたくいただいてきた。

 ところが案の定だった。ワープロ専用機のフロッピーのようで、まずそのフロッピーが読めない。仕方がないから変換してくれるところに走った。変換したデータを持って帰って開いてみたら、なんと段組み編集がしてあった。たぶん罫線で区切ってその中に打ち込んだのだろうが、変換すれば罫線はスペースに置き換わり、早い話がグチャグチャ状態だった。

 データは棒打ち状態が一番楽なので、フロッピー入稿の場合はそうしてほしい旨をあらかじめ言っている。おかげであまりこうした例には出合わなかったが、うまく伝わっていなかったのだようだ。だから久しぶりだった。

 データの訂正には、ブロック単位でコピーできる"Text Capture FKEY suitcase"を使った。フォントフォルダに入れておき、コマンド+6で範囲を指定してコピー、別のファイルにペーストしてつないでいくのだ。私の使っているのはもう古いが、新しいバージョンも登場しているらしい。手間だが、打ち直すことを考えればましだ。今回はまだブロックの形をとどめていたのでよかったが、打ち直した方が早いケースもある。

 なんとかデータの形は直したところで問題がもう一つ。縦組みなので、初校時に数字を漢数字に変えていた。ところが入稿されたのは、元のアラビア数字のままだった。これまた置換しなければならない。初校を見れば手が加えてあることがわかるはずだが、自動で変更できると思われているのだろうか。
 こんな時はシステムソフトエディタを使う。同時に三つの検索・置換ができるのはいい。

 そんなこんなで、けっこう時間がかかってしまった。しかしこれ、わずか9ページ分なのだ。かなり訂正が多いといっても、まるごと入れ替わるほどでもなければ、文字の訂正作業は1時間もあればゆっくりできる。それを変換に走ったりデータを直したりするのだから、何倍の時間がかかったことだろうか。
 校正は校正紙に書き込んでいただくのが一番楽なのだが、こんな現場の声、何と言えばわかってもらえるかなあ……。

(記/1998.1.16)


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