京のお酒エッセー

京都は伏見だけでも20を超える酒蔵がある酒どころ。そんな京都府内の地酒を飲みながら、リアルタイムで綴るお酒の話。
おおむね月1更新。飲み手・書き手=小国文男

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「蒼空」純米大吟醸・愛山

2010/06/26 (土) | 藤岡酒造(伏見・蒼空)

「蒼空」純米大吟醸・愛山「おとうさん、いまどんなお酒が飲みたい?」
 唐突に娘が聞く。
「『蒼空』やな。『愛山』ってのが新しく出てるみたいやねん……」
 実はちょうど、ネットで物色していたところだった。
「けど何でや?」
「父の日やんか」
「あ、そうか……。そりゃおおきに」
 こうして思いがけず、久しぶりに「蒼空」を味わう機会に恵まれた。

「蒼空」純米大吟醸・愛山「蒼空」純米大吟醸・愛山 「愛山」というのは、兵庫県産の高価な酒造好適米らしい。栽培農家も少なく「幻の酒米」とも言われるているという。初めて知った。どんなお酒だろうか、と期待が膨らむ。

 もっとも、業界では近年注目されているらしく、伏見でも他にこの「愛山」を使ったお酒が登場しているようだ。いずれそれらも味わってみたいと思う。

 さて、3年ぶりの「蒼空」だ。いつもの透明な500mlのビンは、無濾過ゆえの淡い緑色がよくわかる。ゆっくりと封印をはがし、コルク栓を抜く。香りは控え目だ。
 コップに注いで口に近づけると、吟醸香が心地よい。口に含めばトロリとした口当たりと芳醇な香りが広がる。旨い。

 あとで読んだ蔵元サイトなどの解説によると、「口当たりの柔らかさが際立つ」とある。
 確かに以前飲んだ純米大吟醸生酒では、御香宮の「御香水」のようなやわらかさを感じたが、それに比べると、僕にはむしろややキレがあるように感じられた。
 生酒ではないからか、冷やし加減の関係か、それとも米が違うからだろうか、などと思ったものだった。
 まあ比較の話で、全体としてやわらかいことに違いはないのだが、特に際立つという感じでもないなあ、というのが正直な感想だ。

 けっこう早い段階でアテを欲した。だから僕的には辛口系だ。チーズやアーモンドフィッシュを出してきた。それぞれけっこう合って、互いにマイルドになるのがいい。
 というわけで、旨い上に3合に満たないビンは、家族で味わったからでもあるが、あっという間に空いてしまった。ごちそうさま。

【データ】
「蒼空」純米大吟醸・愛山(あいやま)
醸造元:藤岡酒造株式会社
製造年月:2010年6月
原材料名:米・米麹
原料米:愛山100%
精米歩合:50%
アルコール分:17度

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