京のお酒エッセー

京都は伏見だけでも20を超える酒蔵がある酒どころ。そんな京都府内の地酒を飲みながら、リアルタイムで綴るお酒の話。
おおむね月1更新。飲み手・書き手=小国文男

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純米吟醸「京祇園」

2010/02/01 (月) | 山本本家(伏見・神聖)

kyogion_1s.jpg この純米吟醸「京祇園」は、先日いただいたお酒だ。京都のお酒、しかも僕の好きな純米吟醸酒をストライクでいただくのは、実はめずらしい。加えて、このところこの酒エッセーが滞っているのは要するに金欠なわけで、その意味でも非常にありがたい。せっかくなので、感想を書き留めておこうと思う。

kyogion_1.jpgkyogion_2.jpg まずは、データをもとめて蔵元の山本本家のWebサイトにアクセスしてみた。ところが、サイトの商品紹介でもショップの商品一覧でも見あたらない。
 改めてネット検索してみたら、祝米を使った純米大吟醸の「京祇園」がヒットした。銘柄名は同じだが、いただいたのは五百万石を使った純米吟醸だ。ちょっと違うみたい。

 さらにチェックしていると、特別商品のなかに「京都産五百万石 純米吟醸」を発見。同じカテゴリでほぼ同じラベルデザインの「京都産祝米100%使用 純米大吟醸」もあった。
 構成内容から判断して「京祇園」はこれらと同じお酒の別銘柄、もしくは同等レベルに位置づけられる銘柄ではないかと思えた。

 開栓した。コップに注ぐと、明らかにやや黄味がかっている。撮影している時から吟醸香が鼻腔をくすぐった。久しぶりだ。
 口に含んだ。香りはやや甘い。しかし飲み口はむしろ辛口だ。舌の上では旨みを感じる。これ以上淡麗にすると味気なくなるかもしれない、というギリギリのところのような印象。その意味ではこの蔵の「松の翠」に似た絶妙なバランスだと思う。

 次第にアテがほしくなってきた。ふと、田舎のおばさんにいただいた手作り沢庵があるのを思い出して、切ってきた。もちろん添加物など一切使ってないもので、とても旨い。食べ出したら止まらないのだ。
 で、それを食べながら飲んでみた。ちょっぴり辛めの沢庵なのだが、これがベストマッチ。やはり互いにマイルドになって心地よい。なんだかグビグビとお酒もすすむ。たまたま声をかけた娘もいっしょになって、結局は四合瓶を一気にあけてしまった。

 ところで、この蔵のメイン銘柄は「神聖」だが、サイトには「名誉冠」「明ごころ」、ネットショップには「花清水」も並んでいた。いずれもなくなった蔵の銘柄だ。この蔵が引き継いでいるらしい。「花清水」もなくなっていたのか、とちょっとした感慨があった。

【データ】
純米吟醸「京祇園」
醸造元:株式会社山本本家
製造年月:2009年12月
原材料名:米・米麹
原料米:京都産五百万石100%
精米歩合:60%
アルコール分:15度

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