京のお酒エッセー

京都は伏見だけでも20を超える酒蔵がある酒どころ。そんな京都府内の地酒を飲みながら、リアルタイムで綴るお酒の話。
おおむね月1更新。飲み手・書き手=小国文男

<< 純米吟醸「一ノ蔵」蔵の華(宮城県・一ノ蔵) | トップ | 純米吟醸「南部美人」(岩手県・南部美人) >>

一ノ蔵発泡清酒「すず音」(宮城県・一ノ蔵)

2011/06/14 (火) | 東北の酒

suzune_1s.jpg 300ml瓶だし、活性酒だし、しかもアルコール度5%とビール並みだし……、というわけであらかじめ予想したが、「すず音(ね)」は10分余りでなくなってしまった。活性酒と見ると目がないものだから、先日の「一ノ蔵」でいっしょに買っていたのだった。

suzune_1.jpgsuzune_2.jpg ネットで購入する際、商品解説をあちこち探したが、純米かどうかわからなかった。まあ、来ればわかるか、と思って購入したのだったが、はたして届いたお酒は純米だった。5%にアルコール添加もないかとも思うが、純米党の僕としては単純に、ちょっとうれしくなった。

 十分に冷やしていたし、慎重に扱ったので、開栓しても吹き出るようなことはなかった。むしろ、今回もおとなしかった。オリをまぜるのに少し振ったくらいだ。
 コップに注ぐとシュワーっと泡がふくらむ。最初はまさにビールのような泡のたち方だが、泡はやや粗い。

 銘柄の「すず音」は、泡の音からきているらしいが、通常のままでは特に何も聞こえない。そこでコップの口を耳に近づけてみた。ピチピチ……、という音が聞こえてきた。
 鈴というには少しイメージを膨らませる必要がありそうだったが、考えてみれば、音を聞いたのは初めてだったように思う。これまで、意識的に音を聞こうとしたことはなかったと思う。だから「おー」と声が出た。

 飲んでみる。最初はいつものお酒と同じ感覚で飲みかけたが、やはり軽い感じ。ゴクゴクと飲んでさわやかだ。ビールと同じやもんな、と思うとますますゴクゴクいってしまった。早くなくなるのは当たり前だ。

 で、さすがに日本酒度-70~-90というのは甘い。口にも甘味が残るような感じ。もう少しアルコール度数も日本酒度も高い方がスッキリと飲めるかなとも思えた。

 同封してあったチラシには、「すず音」を使った日本酒カクテルの紹介もあった。いわゆる日本酒的な飲み方ではなくて、もっと違った飲み方をするのがいいのかもしれない。
 僕はそうしてしまったが、ビールのようにゴクゴク飲むものでもないように思える。シャンパン的に飲むなら、やはりもう少しドライであってほしい。

 飲んだあとでそのカクテルのレシピを見ていると、なんとなく雰囲気と味のイメージが見えた気がした。でも、そのレシピを実現するお酒はもう残っていない。うーん、残念。


【データ】
一ノ蔵発泡清酒「すず音」
醸造元:株式会社一ノ蔵(宮城県大崎市)
製造年月:2011年2月(瓶内発酵のために瓶詰めした時期)
仕上年月:2011年5月(瓶内発酵及び貯蔵工程を経て商品として仕上げた時期)
原材料名:米・米麹
精米歩合:65%
アルコール分:5%
日本酒度:-70~-90

- | -
蔵元(エリア・代表銘柄)
  • 思い出の酒 (1)
  • 東北の酒 (10)
  • 黄桜酒造(伏見・黄桜) (1)
  • 北川本家(伏見・富翁) (5)
  • 木下酒造(京丹後市・玉川) (3)
  • 京姫酒造(伏見・京姫) (1)
  • キンシ正宗(伏見・キンシ正宗) (3)
  • 月桂冠(伏見・月桂冠) (1)
  • 齊藤酒造(伏見・英勲) (8)
  • 佐々木酒造(京都市・聚楽第) (1)
  • 三宝酒造(伏見・金瓢) (1)
  • 招徳酒造(伏見・招徳) (5)
  • 玉乃光酒造(伏見・玉乃光) (4)
  • 鶴正酒造(伏見・鶴正宗) (1)
  • 豊澤本店(伏見・豊祝) (3)
  • ハクレイ酒造(宮津市・白嶺) (1)
  • 花清水(伏見・花清水) (1)
  • 羽田酒造(京都市・初日の出) (1)
  • 東山酒造(伏見・坤滴) (2)
  • 藤岡酒造(伏見・蒼空) (5)
  • 平和酒造(伏見・慶長) (1)
  • 増田徳兵衛商店(伏見・月の桂) (3)
  • 松井酒造(京都市・京千歳) (2)
  • 松本酒造(伏見・日出盛) (5)
  • 都鶴酒造(伏見・都鶴) (1)
  • 向島酒造(伏見・ふり袖) (1)
  • メイセイ酒造(伏見・名聲) (1)
  • 山本勘蔵商店(伏見・鷹取) (1)
  • 山本本家(伏見・神聖) (3)
最近の記事
  • 純米吟醸「南部美人」(岩手県・南部美人) (07/01)
  • 一ノ蔵発泡清酒「すず音」(宮城県・一ノ蔵) (06/14)
  • 純米吟醸「一ノ蔵」蔵の華(宮城県・一ノ蔵) (06/04)
アーカイブ
  • 2012/10 (1)
  • 2012/08 (1)
  • 2012/03 (1)
  • 2011/09 (1)
  • 2011/08 (2)
  • 2011/07 (1)
  • 2011/06 (2)
  • 2011/05 (3)
  • 2011/04 (1)
  • 2010/11 (1)
  • 2010/09 (1)
  • 2010/08 (1)
  • 2010/06 (1)
  • 2010/03 (1)
  • 2010/02 (1)
  • 2009/05 (1)
  • 2009/04 (2)
  • 2009/02 (1)
  • 2008/12 (1)
  • 2008/09 (2)
  • 2008/07 (1)
  • 2008/01 (1)
  • 2007/12 (1)
  • 2007/09 (1)
  • 2007/06 (2)
  • 2007/04 (1)
  • 2007/02 (1)
  • 2007/01 (1)
  • 2006/12 (1)
  • 2006/11 (1)
  • 2006/10 (1)
  • 2006/09 (2)
  • 2006/08 (1)
  • 2006/07 (1)
  • 2006/06 (2)
  • 2006/05 (1)
  • 2006/04 (1)
  • 2006/03 (1)
  • 2006/02 (1)
  • 2006/01 (1)
  • 2005/12 (4)
  • 2005/11 (1)
  • 2005/10 (3)
  • 2005/08 (1)
  • 2005/06 (3)
  • 2005/05 (1)
  • 2005/04 (2)
  • 2005/03 (1)
  • 2005/02 (2)
  • 2005/01 (1)
  • 2004/11 (2)
  • 2004/10 (2)
  • 2004/05 (1)
  • 2004/03 (2)
  • 2004/02 (1)
リンク
  • えでぃっとはうす
  • プロフィール
  • 京のお酒エッセー(vol.1~47)
  • 吟醸酒房 油長
RSS1.0
Atom0.3
Powered by Serene Bach 2.24R

Access: 4447


▲page top

Copyright (C) Fumio OGUNI 1996-2025. All Rights Reserved.