京のお酒エッセー

京都は伏見だけでも20を超える酒蔵がある酒どころ。そんな京都府内の地酒を飲みながら、リアルタイムで綴るお酒の話。
おおむね月1更新。飲み手・書き手=小国文男

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大吟醸純米「佞武多」(青森県・桃川)

2011/09/13 (火) | 東北の酒

nebuta_1s.jpg ネットで青森のお酒を物色していて、この蔵「桃川」が目に止まった。銘柄に見覚えがあったような気もするが、記憶は定かでない。ただ、今年の仕事で「桃川燕雄(ももかわえんゆう)」という実在した講談師の話を語る故マルセ太郎の立体講談に触れたことで、「桃川」という名前が脳裏に刻まれていたのだと思う。
 全国新酒鑑評会で4年連続金賞を受賞している蔵だという。いくつかある銘柄のなかから大吟醸純米「佞武多(ねぶた)」を買ってみた。

nebuta_1.jpgnebuta_2.jpg お酒は、注文して3日でやってきた。今夜は焼酎も切れていたのでちょうど都合がいい。さっそく開栓した。
 コップにそそぐ。香りは控え目だが確かに吟醸香。白い紙をすかしてみれば、ごく淡いブロンズだ。

 少し口に含む。青森だからというわけではないが、リンゴのイメージ。リンゴの品種名はよく知らないが、僕好みのリンゴには噛んだときにサクッとした甘味がある。それに似た心地よい旨味が口の中に広がった。
 口あたりは柔らかい。水の質だと思う。少しトロリ感もある。飲み始めは、わりと好印象だった。

 でも、コップ3杯目くらいからちょっと重い感じがしてきた。まだ1合半くらいだ。口に甘味が残る感じがする。
 改めてデータを見ると、日本酒度は+3だからやや辛口の部類だが、なるほど酸度が1.5だ。これだと中間より甘口側に転ぶし、アテを欲するかどうかという僕の勝手な基準に照らしても、全体としてやや甘口といったところだ。

 このブログを書きながら飲むようになって、どちらかと言えば濃厚中口が好きになってきたから、やや甘口くらいの方が味があっていいのだが、今夜はどうも、口の中を水かお茶ですすぎたくなってきたわけ。
 なので1日目は、コップ3杯でドロップアウトしてしまった。実はこの頃、お酒はもっぱら焼酎ばかりだから、口がだんだんとドライな焼酎好みになってきたのかもしれない。

 で、2日目もコップ3杯目になった。今夜は昨夜ほど重くない。ビンのお酒も残り少なくなったので4杯目をついだが、一口飲んでいつもと違う思いが浮かんだ。何かアテがないとこれ以上すすまない。
 冷蔵庫を物色したら、とろけるチーズがあった。食べながら飲んでみた。悪くはないが、ややいまいち。スナック菓子のチップスターも見つけた。これも食べながら飲んでみたら、意外といけた。たぶん口のなかで、少し辛口側に転んだのだろう。

 やっぱり東北のお酒は、何かを食べながら飲むのがいいような気がする。


【データ】
大吟醸純米「佞武多」
醸造元:桃川株式会社(青森県おいらせ町)
製造年月:2011年6月
原材料名:米・米麹
原料米:山田錦6.5%、五百万石93.5%
精米歩合:50%
アルコール分:15度以上16度未満
日本酒度:+3
酸度:1.5

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