京のお酒エッセー

京都は伏見だけでも20を超える酒蔵がある酒どころ。そんな京都府内の地酒を飲みながら、リアルタイムで綴るお酒の話。
おおむね月1更新。飲み手・書き手=小国文男

全米大吟醸「奥の松」(福島県・奥の松酒造)

2011/05/16 (月) | 東北の酒

okunomatsu_1s.jpg 「全米」というのは、初めて目にする言葉だった。お酒を入れたパッケージを開くと内側に解説が印刷されていて、それによればマスコミでも大きく取り上げられたそうだが、僕は知らなかった。瓶のラベルには「純米酒ではありません」と書いてある。原材料には「醸造アルコール」も明記してある。「全米」っていったいどういうことなのか。

続きを読む>>

- | -

純米にごり「ピチピチ」(福島県・小原酒造)

2011/05/04 (水) | 東北の酒

pichi_1s.jpg 冷蔵庫でしっかり冷やせていたからだろうか、「お部屋中まっ白になっても当店は一切関知致しません」との注意書きのある「保存と開栓のご注意」に書かれていたほどには、この「ピチピチ」は暴れなかった。むしろビンを振って、沈殿したオリをまぜたくらいだった。
 同様のにごり酒をつくっている蔵は京都にも「月の桂」があって、先日も「龍馬に恋して」を飲んだところだが、その時はけっこう暴れた。だから、もちろん慎重に、ゆっくり振ったことは言うまでもない。

続きを読む>>

- | -

純米大吟醸 管弦楽「蔵粋」(福島県・小原酒造)

2011/04/22 (金) | 東北の酒

classic_1s.jpg 地元のお酒を地元で飲むのが一番旨いからとここ数年、京都のお酒ばかりを飲んできた。しかし東日本大震災に直面したいま、そのお酒を飲むことが復興に多少なりとも役立つのであれば、喜んで東北のお酒を飲もうと思う。
 ネットで酒蔵を検索してみた。「東北の日本酒を飲む会」なるサイトがあった。さすがに東京までは足を運べないが、その出展蔵名簿を見ていてまず気になったのが、この「蔵粋(くらしっく)」だった。

続きを読む>>

- | -

月の桂スパークリング純米にごり酒「龍馬に恋して」

2010/11/03 (水) | 増田徳兵衛商店(伏見・月の桂)

ryoma_1s.jpg 前回「何か話題の題材を銘柄に使ったお酒はあまり好まない」なんて書いておきながら、まさにクライマックスを迎えている大河ドラマで話題の銘柄を買ってしまった。はは、はははは……。
 実はこの蔵、その手のネーミングが多いほうだと思う。でもこの蔵のお酒は好きだ。特に「にごり酒」シリーズは大好きだ。これは従来のシリーズに比べてアルコール度数が15度と、2度だけライトなタイプ。「もちろん、発泡感が損なわれることなく、さわやかな飲み心地」と、油長さんのネットショップで紹介されていた。
 なので、この際ネーミングはどうでもよくて、久しぶりに月の桂のにごり酒、それもさわやかなのを飲みたくなって買ってみた。1,838円も魅力的だった。

続きを読む>>

- | -

純米大吟醸「京の弁慶」

2010/09/30 (木) | 玉乃光酒造(伏見・玉乃光)

benkei_1s.jpg 一般に、何か話題の題材を銘柄に使ったお酒はあまり好まない。その話題に乗じて売れてほしいという希望なのだろうが、そのお酒の成り立ちとは何の関係もないからだ。もちろん、銘柄が必ずしもそのお酒を表現しているとは限らないが、定着すればそれはそれでそのお酒の顔にはなるだろう。
 というわけで今回の「京の弁慶」も、弁慶にちなんだお酒の類というのが第一印象だった。ところが、油長さんのネットショップの解説を読むと、「辨慶」という幻の酒米を使ったお酒だという。しかも限定2,500本。それも玉乃光の純米大吟醸で1,575円ときたら、もう買わずにはいられなかった。

続きを読む>>

- | -

2008 RISSIMO(リッシモ)

2010/08/08 (日) | 松本酒造(伏見・日出盛)

RISSIMO 以前、松本酒造に横文字の銘柄のお酒ができたらしいという話を耳にして、気になっていた。蔵のサイトを見ると、それが「RISSIMO」だった。なんでも、イタリアンレストランのシェフと共同開発した、イタリア料理に負けない酸味をもつお酒なんだという。
 確かに、たとえばパスタを食べながら日本酒を飲んだことは、考えたことも実際にも、たぶんないと思う。どんなお酒だろうと思って、蔵元のオンラインショップで買い求めてみた。

続きを読む>>

- | -

「蒼空」純米大吟醸・愛山

2010/06/26 (土) | 藤岡酒造(伏見・蒼空)

「蒼空」純米大吟醸・愛山「おとうさん、いまどんなお酒が飲みたい?」
 唐突に娘が聞く。
「『蒼空』やな。『愛山』ってのが新しく出てるみたいやねん……」
 実はちょうど、ネットで物色していたところだった。
「けど何でや?」
「父の日やんか」
「あ、そうか……。そりゃおおきに」
 こうして思いがけず、久しぶりに「蒼空」を味わう機会に恵まれた。

続きを読む>>

- | -

純米吟醸「玉川」手つけず原酒

2010/03/27 (土) | 木下酒造(京丹後市・玉川)

純米吟醸「玉川」手つけず原酒 「微炭酸なんです」という声に、思わず振り向いた。「あ、活性酒なんですか?」「はい」……。
 機会があって訪ねた木下酒造の蔵元売店でのこと。いっしょだった娘が冷蔵ケースを見て「無濾過生原酒と手つけず原酒はどう違うん?」と聞くので、「店の人に聞いてんか」と言った直後のことだった。
 そうと聞けば食指が動く。実は頼まれておみやげを買いに来たのだったが、自分用にこの「手つけず原酒」も買ってしまった。

続きを読む>>

- | -

純米吟醸「京祇園」

2010/02/01 (月) | 山本本家(伏見・神聖)

kyogion_1s.jpg この純米吟醸「京祇園」は、先日いただいたお酒だ。京都のお酒、しかも僕の好きな純米吟醸酒をストライクでいただくのは、実はめずらしい。加えて、このところこの酒エッセーが滞っているのは要するに金欠なわけで、その意味でも非常にありがたい。せっかくなので、感想を書き留めておこうと思う。

続きを読む>>

- | -

「英勲・生詰」純米大吟醸

2009/05/15 (金) | 齊藤酒造(伏見・英勲)

eikunnama_1s.jpg しばらくぶりに油長さんの通販サイトをのぞくと、「初夏のお勧め 時期限定酒」というキャッチでこの「生詰」が目に止まった。「生詰」というのはこの場合、瓶詰めの際の火入れ(熱処理)をしていないお酒のことだ。「英勲」の純米大吟醸で1,680円はお手頃と思えた。

続きを読む>>

- | -
<< 2/8 >>
蔵元(エリア・代表銘柄)
  • 思い出の酒 (1)
  • 東北の酒 (10)
  • 黄桜酒造(伏見・黄桜) (1)
  • 北川本家(伏見・富翁) (5)
  • 木下酒造(京丹後市・玉川) (3)
  • 京姫酒造(伏見・京姫) (1)
  • キンシ正宗(伏見・キンシ正宗) (3)
  • 月桂冠(伏見・月桂冠) (1)
  • 齊藤酒造(伏見・英勲) (8)
  • 佐々木酒造(京都市・聚楽第) (1)
  • 三宝酒造(伏見・金瓢) (1)
  • 招徳酒造(伏見・招徳) (5)
  • 玉乃光酒造(伏見・玉乃光) (4)
  • 鶴正酒造(伏見・鶴正宗) (1)
  • 豊澤本店(伏見・豊祝) (3)
  • ハクレイ酒造(宮津市・白嶺) (1)
  • 花清水(伏見・花清水) (1)
  • 羽田酒造(京都市・初日の出) (1)
  • 東山酒造(伏見・坤滴) (2)
  • 藤岡酒造(伏見・蒼空) (5)
  • 平和酒造(伏見・慶長) (1)
  • 増田徳兵衛商店(伏見・月の桂) (3)
  • 松井酒造(京都市・京千歳) (2)
  • 松本酒造(伏見・日出盛) (5)
  • 都鶴酒造(伏見・都鶴) (1)
  • 向島酒造(伏見・ふり袖) (1)
  • メイセイ酒造(伏見・名聲) (1)
  • 山本勘蔵商店(伏見・鷹取) (1)
  • 山本本家(伏見・神聖) (3)
最近の記事
  • 全米大吟醸「奥の松」(福島県・奥の松酒造) (05/16)
  • 純米にごり「ピチピチ」(福島県・小原酒造) (05/04)
  • 純米大吟醸 管弦楽「蔵粋」(福島県・小原酒造) (04/22)
  • 月の桂スパークリング純米にごり酒「龍馬に恋して」 (11/03)
  • 純米大吟醸「京の弁慶」 (09/30)
  • 2008 RISSIMO(リッシモ) (08/08)
  • 「蒼空」純米大吟醸・愛山 (06/26)
  • 純米吟醸「玉川」手つけず原酒 (03/27)
  • 純米吟醸「京祇園」 (02/01)
  • 「英勲・生詰」純米大吟醸 (05/15)
アーカイブ
  • 2012/10 (1)
  • 2012/08 (1)
  • 2012/03 (1)
  • 2011/09 (1)
  • 2011/08 (2)
  • 2011/07 (1)
  • 2011/06 (2)
  • 2011/05 (3)
  • 2011/04 (1)
  • 2010/11 (1)
  • 2010/09 (1)
  • 2010/08 (1)
  • 2010/06 (1)
  • 2010/03 (1)
  • 2010/02 (1)
  • 2009/05 (1)
  • 2009/04 (2)
  • 2009/02 (1)
  • 2008/12 (1)
  • 2008/09 (2)
  • 2008/07 (1)
  • 2008/01 (1)
  • 2007/12 (1)
  • 2007/09 (1)
  • 2007/06 (2)
  • 2007/04 (1)
  • 2007/02 (1)
  • 2007/01 (1)
  • 2006/12 (1)
  • 2006/11 (1)
  • 2006/10 (1)
  • 2006/09 (2)
  • 2006/08 (1)
  • 2006/07 (1)
  • 2006/06 (2)
  • 2006/05 (1)
  • 2006/04 (1)
  • 2006/03 (1)
  • 2006/02 (1)
  • 2006/01 (1)
  • 2005/12 (4)
  • 2005/11 (1)
  • 2005/10 (3)
  • 2005/08 (1)
  • 2005/06 (3)
  • 2005/05 (1)
  • 2005/04 (2)
  • 2005/03 (1)
  • 2005/02 (2)
  • 2005/01 (1)
  • 2004/11 (2)
  • 2004/10 (2)
  • 2004/05 (1)
  • 2004/03 (2)
  • 2004/02 (1)
リンク
  • えでぃっとはうす
  • プロフィール
  • 京のお酒エッセー(vol.1〜47)
  • 吟醸酒房 油長
RSS1.0
Atom0.3
Powered by Serene Bach 2.24R

Access:


▲page top